日本共産党 小西直樹
平成30年度9月定例議会にあたり日本共産党の一般質問を致します。
1.はじめに6月議会でも取り上げられていましたが富山市職員の「会計年度任用職員制度」について質問いたします。
いま、地方自治体で働く臨時や非常勤職員は全国で65万人を超え、その人達無しでは地方自治体は一日も運営できないと言っても過言ではないと思い ます。
そのような状況の中で、昨年5月に地方公務委員法と地方自治法が改正され、2020年4月から施行されます。
その中では会計年度任用職員制度の導入が柱となっています。
この会計年度任用職員制度とは、これまで法律上の定義が不明確で、自治体によって呼び方や勤務条件が大きく違うなど、取り扱いがバラバラだった「一般職非常勤職員」を全国で統一的な取り扱いになるよう設けられたものです。
しかし、もっとも本質的な問題は臨時・非常勤職員が何年も恒常的な公務の仕事に付きながら、正職員と大きな格差の労働条件で働き続けること、しかも働き続けることが制度として保障されないという問題を解決するものではないなど、様々な懸念や疑問も指摘されています。
恒常的に公務をおこなう非常勤の職員は、本来正規職員として処遇されるべきですが、今回の制度導入にあたり、臨時・非常勤職員の労働条件が良い方向に向かうことを前提に質問いたします。
(1)6月議会で本市は本年5月1日現在、臨時的任用職員は1931人と答弁されていますが、現状の正規職員と臨時・非常勤(非正規職員)の人数を職種別にお答えください。
*今の答弁にあったように富山市でも臨時・非常勤職員が1/3を占め、行政の重要な役割を担っていることが解ります。
(2)政府が示したスケジュールでは今年中に条例の制定が必要としていますが、富山市の条例制定のスケジュールはどうなっているのですか。
(3)この制度の導入で市では職員を会計年度任用職員にどう区分しようとしているのですか。
(4)非常勤特別職は「学識・経験に必要」な職としていますが、市の特別職非常勤の具体的な職種と人数はどうなっていますか。
(5)この制度によって賃金・待遇が悪くなるのではないかと危惧する声がありますがどのような職種でもそのようなことがあってはならないと考えますし、期末手当の支給は行うとなっています。
新たな制度の下で臨時・非常勤のみなさんの待遇についての考えをお聞かせください。
*新しい制度によって待遇が悪くならないよう、取組まれるお願いいたします。
(7)制度導入に向けて準備が進められていますが、職員のみなさんとの合意が必要です。職員組合との話し合いを通じて進め、一方的な通告とならないことを要望します。いかがお考えかを伺います。
(8)この制度の導入を「自治体の臨時・非常勤職員の身分の安定、地位の向上をはかる機会」として「市民の安全・安心を守り、公務公共サービスの一層の拡充・向上の機会」として準備をしていただきたいと思いますが、そのためには新たな財源が必要になることも考えられます。
待遇改善の財源の確保が必要であり、交付税措置など国が責任をもって措置するよう、要望すべきと思いますが見解を伺います。
2.SDGs(持続可能な開発目標)について質問いたします。
SDGs(エスディージーズ)は2015年の国連首脳会合で2030年までに、貧困や飢餓、健康、福祉、教育、気候変動、平和・公正といった17の分野にわたる目標とより具体的な達成目標である169のターゲットが掲げられ、全会一致で採択されました。
(9)富山市は全国29の自治体とともに環境にやさしい未来都市に取り組む「SDGs未来都市」に選ばれ「富山市SDGs未来都市計画」も発表され本格的に取り組みを強めようとしていますが、まちづくり、エネルギー、環境などを重点として進められるものと感じられます。
SDGsの本質は17の目標は相互に関連しており、それを包括的解決することが本当の意味で解決にむかうともいわれています。
私は重点的に取り組む目標、または早期に取り組む目標など、メリハリも必要だと思いますが、富山市としてSDGsの17の目標にどのようにとりくむのか見解をうかがいます。
*17の目標に積極的にとりくむことを要望します。
(10)14番目に「海の豊かさを守ろう」の目標があります。
私の町内に18年間、ボランティアで海岸の漂着ごみを毎年60tを越えて集めている方がおられます。
その方はとりわけ近年、海洋環境で問題になっているマイクロプラステックになるレジ袋、ペットボトル、発砲スチロール等の漂着ごみに大変、心を痛めておられます。
「富山市SDGs未来都市計画」に北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP<ナウパップ>)への支援・協力とありますがボランティアを含めた海岸漂着ごみの回収状況とプラステックごみなど海洋漂着ごみの削減対策について伺います。
*富山湾の中心地域として積極的な取り組みをお願いします。
3.市営住宅について
公営住宅法では第1条で国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する定額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするとあります。
まさしく市営住宅は社会保障の重要な役割を果たしていると言えます。
このことを踏まえ
(11)まず、市営住宅の継続契約に手続きの簡素化について質問します。
現状は(1)市営住宅入居者収入申告書のほかに(イ)世帯全員の前年度所得証明書(ロ)世帯全員の個人カードの写し(ニ)世帯全員の個人番号通知カードの写しと身元確認書類のいずれかが必要です。
高齢者や身障者が毎年行うには負担が大きいので、家族構成に変化がない場合の継続は市営住宅入居者収入申告書だけにならないのか。継続手続きの簡素化について伺います。
*高齢者所帯など、困難な方には親切・丁寧に対応されることを要望し次の質問にはいります。
(12)市営住宅の整備等に関する方針について、新たな団地の拡充計画、既設の団地の風呂の設置など整備はどうなっているのか。
(13)民間賃貸住宅に入居している人が「家賃の安い市営住宅に入居したい」と希望があっても住宅に困っていないという理由で入居できない場合がありますが、公営住宅の本来の役割から逸脱しているのではないか。
見解を問います。
(14)生活困窮者対策として公営住宅法16条4項に家賃の減免制度があります。
富山県営住宅の家賃減免制度が今年(平成30年)10月から開始されますが、県のホームページで県営住宅の減免について県営住宅の入居者のうち所帯収入が著しく低い方や、病気や災害で多額の出費が必要になり、家賃の支払が困難な方に減免すべきとなっています。
富山市では条例規則にはありますが、平成29年度の減免件数と制度の周知はどうなっていますか。
*入居者に減免制度の周知の徹底をお願いいたします。
(15)県営住宅は収入月額で減額率が明示されていますが、県営住宅並みの減免内容にすることはできないのか、お伺いいたします。
(16)犬や猫等のペットには癒し効果が期待できるといわれています。
とりわけ市営住宅居住者の高齢者には孤独感がいやされ、友情や安定感がもたされるといわれています。
動物嫌い、動物アレルギーなど課題もありますが、ペットと共に住める市営住宅を設けることを検討すべきと思います。
見解を伺います。
*市営住宅が社会保障としての役割を果たすことが、ますます必要になっていることを申し上げ、私の一般質問を終わります。