日本共産党 小西直樹
議員提出議案 第18号『水道法民営化を推し進める「水道法改正案」の成立に反対する意見書』について、日本共産党の賛成討論を行います。
水道事業は、全ての国民に安全・安心・安定的な水の供給によって、憲法第25条の生存権を保障するものです。
2013年に発表された新水道ビジョンは、基準に達した水が、いつでも、どこでも、誰でも、合理的な対価をもって持続的に受け取ることができるとうたっています。
富山市はそのビジョンの実行に上下水道局を先頭に、安全でおいしい水の供給に、関係者が役割を果たされてきたものと感謝しています。
しかし全国の現状は、管路の老朽化、4割に満たない耐震化率、小規模で脆弱な経営基盤などが実態です。
「水道法改正案」は、安倍政権が大阪府北部地震を口実に、先の国会で成立を急ぎましたが継続審議となり、次の国会で成立を狙っているものです。
「水道法改正案」に反対する第1の理由は、事実上の広域化の押しつけになるからです。
国が「経営基盤強化」のために広域化を含む「基本方針」を策定し、都道府県が「基盤強化計画」をたてることになります。
事実上、国や県のトップダウンで「広域化に加われ」となります。
先行する広域化計画では、自己水源の放棄や余剰になったダム水の押しつけなどが問題になっており、住民負担やサービスの後退を招いています。
富山県内では富山県企業局による広域化を行っている高岡市、氷見市、小矢部市、射水市は一般家庭で1カ月20立法メートル使用した場合、富山市では2268円ですが、射水市の3348円から氷見市の4578円と約1.5倍から2倍の料金です。
広域化により市民の生活が豊かになるかは、料金の面からも大きな問題があります。
反対する第2の理由は、水道事業にコンセッション(公設民営)方式を導入することです。
利益優先の民間事業者の参入は、経営効率化の名のもとに、事業の安定性、の後退、料金値上げなど、住民負担増につながります。
民営化が「老朽化対策」どころか弊害を生むことは海外の事例からも明らかです。
パリでは1984年に世界的水メジャー2社で民営化しましたが、料金は2.5倍に、財務の不透明などで市民の批判が高まり、2010年に再公営化し、8%値下げをしています。
ベルリンでも、設備投資不足と料金高騰で14年後の2013年に再公営化しています。
命の根源である水事業を、ビジネスの対象にすべきではありません。
国は、人員確保などの必要な財政支援を行うこと、過大な需要予測によるダム開発ではなく、渇水時や災害があっても対応できる身近な水源を残し、住民参加の水道事業を応援する事が必要です。
皆さまの賛成で、国に「水道法改正案」に反対する意見書の提出を行うことをお願いいたしまして、賛成討論といたします。