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議案第1号 平成31年度富山市一般会計予算等 反対討論(3月25日 赤星ゆかり)

カテゴリー: 議会報告

日本共産党 赤星ゆかり

おはようございます。日本共産党の赤星ゆかりです。

ただいま議題となっております議案61件のうち、議案第1号 平成31年度富山市一般会計予算、及び議案第3号 平成31年度富山市駐車場事業特別会計予算ほか、議案第12号、第14号から第21号、第27号及び第28号、第31号及び第32号、第39号及び第40号、第44号、第46号、第47号、及び第52号の、合計21件については反対です。

以下、一括してその理由を申し上げます。

まず、新年度予算では、◎小中学校普通教室へのエアコン設置など、党派を超えて要望してきた課題や、日本共産党が住民の皆さんと一緒に要望してきた課題なども、多くが盛り込まれました。

◎富山大空襲の資料収集の開始◎学校や、市立公民館の耐震化工事の促進◎就学援助金の国に合わせた入学準備金の増額や、◎保育や学童保育の受け皿の拡充◎新しいコミュニティバスへの助成などの、前進面も歓迎しています。

森市長はじめ、予算編成へのご尽力に感謝するものです。

しかし、全体を見た時の問題点を挙げたいと思います。

●プレミアム付商品券

一つ目は、安倍政権が計画する10月からの消費税10%への消費税“引き上げ対策”としての「富山市プレミアム付商品券発行事業」20億0591万6千円は、住民税非課税の人と3歳未満の子供のいる子育て世帯に10月から5カ月間のみ市内の小売店舗等において使える、2万円分で2万5千円分の買い物ができる「商品券」を発行するものですが、現金で買う分を商品券で買うだけで、消費の拡大につながるとは考えられません。

安倍首相は「いただいたものをすべてお返しする」と繰り返し国会で答弁していますが、「返す」ぐらいなら、最初から増税しなければいいのです。

増税だけでなく、買うもの、買う場所、買う方法により3、5、6、8、10%の5通りの税率となるなど、“引き上げ対策”自体が、国民の不安を広げています。

消費税8%への増税以来、家計消費支出は年額で実質約25万円も減少しました。実質賃金も、増税前と比べて10万円以上落ち込んでいます。

安倍政権が昨年秋に予定通り消費税増税を実行すると決定しましたがその後、個人消費の引き続く低迷や、米中の貿易摩擦の影響を受けた輸出の不振が明らかになり、毎月勤労統計の不正発覚後、安倍首相も国会で落ち込みを認めざるを得ませんでした。先日発表された1月の景気動向指数は、3か月連続で悪化となり、今では政府自身、景気は「下方への局面変化」にあることを認めざるを得なくなり、3月20日発表の月例経済報告で、景気判断を3年ぶりに引き下げました。増税の前提は崩れています。市民の暮らしも経済も、とても増税できる状況にはありません。

直近の世論調査でも、「朝日」19日付は「景気が悪くなった」が49%、消費税増税に「反対」が55%、同日付「産経」とFNNの調査でも、消費税増税に「反対」が53.5%となっており、国民多数が反対している増税は直ちに中止を決定すべきです。

●消費税増税予算

そして富山市としても、10月からの消費税増税に合わせ、あらゆる市の施設の使用料・手数料や駐車料金を、一部を除き、いっせいに値上げしようとする条例案と、引き上げ分を見込んだ予算となっていることです。市民の負担増分は合わせて約1億1880万円になります。増税の行方を注視し、また据え置きを判断すべきではないでしょうか。

●二つ目に、中心部と周辺部との格差が、ますます顕著になり、一部にはそうした問題に応えようとする施策もありますが、「コンパクトシティ」政策の中でも疑問に思う、中心市街地偏重や、大手マンション企業の優遇政策です。

「中央通りD北地区市街地再開発事業」への補助金は7億9千万円が計上されました。

アイススケートリンク整備など賑わい施設の整備には、必要性・採算性や、市の総合計画やスポーツ施設の整備のあり方などとも合わせて、別途、検討すべきではなかったのでしょうか。

この再開発で建設される25階建ての高層マンションが、また立山連峰を遮ります。マンション部分は売却する保留床として、事業費の採算に充てるためとのことです。富山市内での最近のマンション建設熱は、人口減時代に入り、住宅の過剰供給とならないのでしょうか。再開発で地価が上がり固定資産税の収入が増えたとしても、将来市民の負担はどうなるのか。広範な市民から多面的に意見を求め、将来の老朽マンション問題、マンション空き家問題も見据えた政策への転換が必要です。

「まちなか居住推進事業費」アパグループに5千万円補助!

「まちなか居住推進事業費」では、分譲マンションを買う市民向けの補助が250戸分で1億2500万円、マンションを建てる事業者向けの共同住宅建設費補助が5250万円、そのうち5000万円は大手の“アパグループ”に1戸あたり100万円×50戸分です。ディスポーザーの補助も250万円つきます。

同社には平成26年度にも5000万円が、平成28年度には“タカラレーベン”にも5000万円補助が出されました。最近、「駅周辺マンション林立」という報道や、ほかの地域でもマンション建設が相次いでおり、大手ディベロッパーには税金で補助しなくても、十分体力があります。

「まちなか居住推進事業費」として合併後の14年間で6億3千万円余が投入されてきましたが、マンションの大量供給とも考え合わせて、建設と販売促進とを「セット」にしたような税金による誘導策全体を、見直すべきではないでしょうか。

そして、中心部だけの、高いところに飾られている、

フラワーハンギングバスケットには、来年度も約6300万円もかけられます。

先日から設置された花カゴが早春の街に彩りを添えていますが、年間のこの総事業費は、広く市民にご理解いただけるとは思えません。他の都市の方法も調査しながら、事業費と、市民が快く楽しく協力・参画できるような方法を研究すべきです。

●三つ目には、さらなる職員削減計画に反対です。

合併旧町村では、合併前の役場から支所へ、支所の廃止で行政サービスセンターと中核型地区センターへ再編、人員も削減となり、「大沢野の人が税の相談で婦中まで」「高齢者には行くだけでたいへん」などの声も聞かれます。

近年、日本各地で大地震や豪雪、豪雨等、大規模な自然災害が頻発し、甚大な被害が相次いでいます。災害時には、住民の生命・財産を守るために、命がけで、全力で対応される公務員の役割というのは、本当に重要です。

災害時に住民の一次避難所となる小学校には給食室があり、市の職員には避難者に食糧を調達し食事を提供する重要な役割があります。市の調理員は各小学校の職員ですが、新年度富山市予算では学校給食単独校調理業務の民間委託が、新庄小学校、山室小学校にも拡大され、さらに職員削減となります。

「第3次行政改革基本計画」「定員適正化計画」で正規職員をさらに削減する計画は、もう見直す時期ではないでしょうか。

市政の一番大事な仕事は、弱者によりそい、住民の福祉の増進を図ることにあります。日本共産党は、市民の皆さんの実態と願いを議会に反映し、以上21議案に対する反対討論といたします。

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