日本共産党 赤星ゆかり
ただいま議題となっております、令和元年分請願第5号「議員の政治倫理に関する条例制定の請願」について、日本共産党として、「継続審査」として先送りするのではなく、直ちに採択すべきとの立場から、討論を行います。
まず、この請願の趣旨は、「議員は市民全体の代表として選ばれた公人、また市政を託され、職務として政治をおこなう者として、高い倫理的責務が課せられることを条文化すること。」です。
先ほど糾弾決議が採択された、富山市議会の信頼をまた失墜させる信じがたい不祥事が起きてしまったことは、誠に遺憾であり、許すことはできません。
で、あるからこそ、なおさら、この請願を直ちに採択して、具体的に検討に入るべきではないでしょうか。
「プロの政治家には、一般人以上に極めて高い政治倫理が要求されている」と、請願人は述べておられますが、その通りです。
一連の政務活動費の不正問題や、一般常識にもとる行為はもちろんのこと、そのほかにも、嘘をつくとか、自分の会派内で過去の不正に気づいていながら指摘をしないとか、自ら自浄能力を発揮しないとか、憂慮すべき、倫理的に問題あるとしか思えない行為が、最近でも見受けられたことに、私は、非常に残念であり、憤りを覚えています。
また、相手によってちゃんと挨拶できないとか、差別する、排除する、口汚い言葉を掛けるとか、怒鳴るとか、恥をかかせるとか、大人のいじめとしか見えない行為など、議員はお互いに、厳に慎むべきです。
ここで、「議員の倫理とは」を考えるにあたり、ある著書の一節を紹介します。
元、全国市議会議長会事務局 調査広報部長を務められた加藤幸雄さんが現役の部長時代、富山県内の市議会議員の研修会に講師としておいでになり、「地方分権時代の議会改革」について講演されました。引退されてからは大学講師、日本経営協会専任講師などをお務めですが、私も全国的な市町村議会議員研修会において、なんども先生の講義を拝聴いたしました。
その加藤幸雄先生の著書、「新・市町村議会の常識-『知らなかった』ではすまされない-」の一節を紹介します。
「ところで従来は、議員は『選良』であるという言葉がよく使われていた。最近は耳にしない。『選良』とは、(広辞苑によれば)『すぐれた人を選び出すこと。また、その選ばれた人。特に、代議士をいう。』」
「民主主義のもとで、主権者は住民であり、議員は普通の住民から選ばれる。議員になるために、別段に資格、学歴、経験も必要ではなく、議員になるための資格試験もない。」
「市町村議会議員も、立派な地方公務員である。」
普通の住民から選ばれてきた私たちだからこそ、「議員は“選良”」という理想、目標に向かって、お互いにお互いを尊重し合いながら、切磋琢磨し、努力を重ね、意識と資質を高めてまいりましょう。
そして議員の政治倫理に関しての共通認識をみんなで持てるまでに練り上げて、住民との約束として明文化し、高らかに宣言いたしましょう。
みなさんに、心から呼びかけまして、請願採択の討論といたします。