日本共産党 赤星ゆかり
ただいま議題となっております、報告第4号 専決処分について承認を求める件(富山市高度利用地区における固定資産税の不均一課税に関する条例の一部を改正する条例制定の件)について、日本共産党の反対討論を行います。
この条例は、富山市の中心部の「高度利用地区内」で、市街地再開発事業により、都市再開発法に定める都市計画に適合して建築された耐火建築物の保留床に対して、5年度分、固定資産税を軽減しているが、その固定資産の取得期限を2年延長するというものです。
再開発前の権利者に、権利に応じて与えられた、再開発ビルの権利床への軽減措置は、国の地方税法附則の改正で2年延長されましたが、この売り払う床である保留床の分は、地方税法第6条2項の規定に基づき、「公益上その他の事由により必要がある場合に、条例により一般の税率とは異なる税率で課税することができるもの」とあり、これは富山市の判断で、できる、規定となります。
今回の、固定資産税軽減の対象となる再開発ビルは、西町南地区の『とやまキラリ』、総曲輪西地区の『ユウタウン総曲輪』、桜町1丁目4番地区の『パティオ桜』、総曲輪3丁目地区の『プレミストタワー』です。保留床に入っているのは、銀行、シネコン、全国チェーンのホテル、立体駐車場、などと、住宅では共有部分を含めて120平方メートルを超える部分で、マンションでも広めの区画が対象です。
この条例改正を市長が専決処分されたことの承認に反対する理由として、
一つには、再開発ビルの保留床に入っている企業などには、すでに大型商業施設誘致で1億円の補助金を受けたところもあり、大手企業もあります。国の法律で権利床の固定資産税の軽減が決まっているからといって、富山市の判断で、保留床まで軽減する必要は全くないと思います。再開発ビルそのものの建設に、すでに莫大な補助金が使われている上、あまりにも至れり尽くせりではありませんか。
二つには、「中心市街地の賑わい創造、まちづくりの拠点といった『公益性』がある」といって、再開発ビルだけが税率軽減の優遇を受けるのは、税金の集め方として不公平ではないでしょうか。中心商店街を盛り上げてきた商業者や商店街の皆さん、また、多面的な公益性を担っている中山間地の住民や、農地の宅地並課税に苦しんでいる農家のみなさん、合併で新たに都市計画税が課税された婦中地域など、多くの市民の理解を得られるとは思えません。
三つには、専決処分されたことにも異論があります。
総務文教委員会で、賛成の委員から「やむを得ない」という討論がありました。
地方税法附則の改正による権利床部分については、専決は、やむを得なかったかもしれませんが、保留床部分については富山市独自の判断で、そして、条例の改廃も、議会の権能です。最終的な判断は議会ですから、いずれかの時期に、議会にはかって、こういう税金の集め方でいいのか、「まちづくり政策」としてもどうなのか、議論すべきだったのではないでしょうか。
以上の理由から、承認に賛成することはできません。
みなさん、議会のチェック機能を発揮し、議論し直そうではありませんか。
以上、呼びかけて、反対討論といたします。